変形性膝関節症

膝関節の軟骨がすり減ることによって膝の関節が変形してくる病気で、痛みや炎症を伴います。軟骨がすり減って小さくなった分、体重がかかると膝関節の大腿骨と脛骨のすき間(関節裂隙)は狭くなります。軟骨が正常の膝ではこのすき間は6〜8oですが、変形性膝関節症にかかってしまうと3〜4oになります。軟骨がすり減ると内側の骨がでてきて直接に触れることから、それが刺激となって骨棘というとげのような突起や、骨提という堤防状の出っ張りがあらわれてきます。また関節面の骨が硬くなるために硬骨化が起こったりします。そして、関節包の内側の骨膜に炎症によって、膝関節から注射器で関節液を抜いてみると、黄色い粘り気のある液体をみることができます。

女性に多い変形性膝関節症

変形性膝関節症は女性にはかなり多く見られる病気です。これは筋肉の衰えや関節の老化などによって膝の関節がすり減ったり、関節が変形したりして痛みや炎症を起こす病気です。特に中高年の女性に多いですから注意が必要です。女性に多い理由としては、男性よりも関節が柔らかいこと、筋肉がどうしても弱く、閉経後に太りやすいけいこうにあるので、肥満のために膝に相当負担が多くかかるからです。そのためには肥満にならないように注意が必要です。
症状の特徴は長い年月にわたって少しずつ進行していきます。 変形性膝関節症は50歳以上の女性に多い病気です。それと膝の使いすぎで起こる膝蓋軟骨硬化症は20歳前後の若い人にこのところ急に増えてきているほか、全身のあちこちが痛む慢性関節リウマチも女性に圧倒的に多い病気です。男性より女性のほうがなりやすい原因は、まだはっきりとは解っておりません。

変形性膝関節症になりやすい人

変形性膝関節症になる人の性別や年齢などを調べてみると、次のような共通した傾向があることが分かってきました。
@50歳以上の女性の場合
変形性膝関節症は、圧倒的に女性に多い病気です。ホルモンや筋肉量などとの関連が考えられます。女性に多いのは、男性よりも関節が柔らかいことです。
A肥満の人の場合
体重が重くなると、膝にかかる負担がふえます。関節軟骨の磨耗が進むので発症しやすくなります。肥満にならないように注意が必要です
Bへバーデン結節の人の場合
40〜50代の女性によくみられます、手の指の第一関節が節くれ立ってくる病気です。変形性膝関節症はこの症状が見られる人に多くあらわれます。